横尾忠則プロフィール
横尾忠則さん
 美術家 )
   
 

 【第32回】 2003年4月掲載用

   今月のお客さんは、このサイトですっかりお馴染みの横尾忠則さんです。
   以前、丹波邸に遊びに来られ、4時間に及ぶ霊界談義となった時の様子を
   御紹介します。


           類魂への見解

丹波 類魂についてお聞きしたいのですが、進化によっては、別の類魂に入ることはあるとお考えでしょうか?。

横尾
 それはあると思いますよ。類魂のなかにも個はあると思います。犬や猫と言った動物は別ですがね。僕は、個があっての類魂だと思っています。

丹波 諸動物は「集魂(しゅうこん)」ですね。

横尾 そうですね。だからかわいがっていたペットとは、霊界ではいつかは別れなければならないでしょうね。神界近くになると絶対についてこられませんね、動物は。



          「新樹の通信」と類魂

丹波 潮文社から出版されている『新樹の通信』というものがあります。この通信で、新樹の父である浅野和三郎著に、新樹は「今自分の姿は球のようだ」と報告している箇所があります。

横尾
 なるほど、そうでしょうね。


丹波 それも振動していると言っているんです。その球でどの様に見えるのだと聞いたら、一度に360度全てが見えると答えているんだ。

横尾
 それは、高いところへ行っている霊なんでしょうね。でも、死んで間もない人は、そこまで見られないと思いますがね。

丹波 ところが新樹は、手が欲しい、足が欲しい、と思うだけで生前の姿になれるらしいんだよね。

横尾 出て来るんですよね。例えばあの世でお母さんとかに会うとき、若返った姿のまま出てくると判らないだろうと、死んだ頃の歳を取った姿で会いに来てくれるんですよね。
   
[死ぬと大抵の人は、特に希望の念がない限り若い頃の姿になります]

丹波
 以前亡くなった私の女房殿は、知人の前に現れたんですよ。その時は30代位の姿だったそうです。長い髪の姿で現れたそうですが、その方は女房殿の長い髪の頃を知らないし、私も長い髪の女房殿の記憶はありませんでした。当然、写真
も残っていないのです。
 でも、後で写真が出てきたのです。長い髪の写真が……。

横尾 たとえ30歳の頃、髪が長くなくても、30代の姿で出てきたときに、長い髪を望めば、その通りになるんですよね。

丹波 それは、その通りですよね。

横尾 向こうは、願望通りになる世界だから、霊界通信では、霊界をブルーアイランド・サマーランドといってきますね。
 でもね、幽界から霊界、つまり上の方に行けばこの世に戻る必要がないのですが、幽界くらいじゃあ、また戻ってきますよね。
 しかし、中には、幽界から霊界へ努力しながら上へ昇っていく方もいるようなんですよ。。つまり、再生しなくてもすむ世界へ行くということです。
 もちろん、こちら(現世)で全て終了していくのが一番なんでしょうけど。

丹波 その通り。また生まれ変わるとしても1から、つまり幼稚園や小学校をやる必要がありますか?

横尾 イヤですよ。

丹波 その必要はないんです。そのまま転生してくることはないんです。
 ここで、類魂がでてくるんです。
 たとえば、横尾さんの一部が、千年前に出て来て、そこで絵の勉強をします。そして次に出てくる500年前、次に出てくる300年前に絵の才能が入っているんです。そして、現在へとつながっているんです。
 個性はあるが、同じハチの巣のハチ、つまり類魂なんです。一匹が蜜のありかをを伝えると、その情報は巣全体に広がりますよね。外に出たハチも、でてないハチも知っている。だから、人間界では天才が出てくるです。
つまり情報が詰め込まれて現世に生まれてくる者がいると言うことです。これが天才なんですね。
 でも、仏教では、全てが生まれ変わると言っています。

横尾 永久に転生を繰り返すと言っていますね。これは大間違いですね。お坊さんとか聖職者は向こうに行くと、きついらしいですよ。(冗談まじり)

丹波 エマニュエル・スウェーデンボルグもその著書『霊界探訪』で伝えていますね。地獄に何と修道院の多いことかと……。
スウェーデンボルグは、敬虔なクリスチャンです。その彼が見たとおりに伝えているのです。

横尾 カトリックの協議に凝り固まっているからそうなるんでしょうかね。



            愛は自己犠牲

丹波 僕の研究では、霊界は無宗教です。もちろん個々の宗教は、素晴らしいことをいっている。その良いところの集大成が燦然と輝いていることはあるかも知れませんが。

横尾
 そうでしょうね。


丹波 また、現世に於いて「やきもち」はマイナスですよね。愛は、自己犠牲。やきもちは自分の為だけのもの。やかれるのは幸せなんてとんでもない。魂の向上を願うのなら、いかにやきもちを焼かなくするかが大切だと思いますね。僕

横尾 僕も80年代にグラフィックから絵画に転向したんですが、いろいろありましたね。やきもちをやく人もいましたね。
 「気にしないでいいや、でも言いたいことは、全てしっかり言ってやろう」と思ったらやきもちは消えるし、全てスーッといきましたね。やきもちは自分を防備し、人を蹴落としますね。

丹波 その通り。

横尾 霊界の地獄の様相は、皆そう言うことですよね。だから元々地位の高かった人が多いんですよ。

丹波 大事なのは、明るく、すなおに、あたたかくなんですよね。

                                         つづく


   この対談は、4時間に及んだのですが、かなり割愛しておりまして、
   ここまでで半分紹介しました。
   次回は、何故横尾忠則氏が霊界の存在を確信したかに付いて御紹介します。