【第50回】 《2005年2月号》

   平成8年、テレビ東京で『丹波哲郎の不思議世界』が放送されました。
   この番組は、ゲストの不思議な体験を聞き、
   その体験談に丹波哲郎が解説していくというものでした。
   そのゲストの中から17人の体験談を日本文芸社から
  『本当にあった霊体験・臨死体験17人の証言』というタイトルで出版しました。
   その17人の体験談を、本書より抜粋し御紹介していきます。

   以前も一部御紹介した内容もありますが、再度詳細に掲載していきます。
   対談形式ではありませんが、お許し下さい。


       生島ヒロシさんの不思議体験

丹波 「念じる」ということでは、生島さんはこんな話もしてくれた。

             仏壇には「感謝」の心で手を合わせる

生島 「僕がTBSに入社した年、53歳の若さで父が亡くなりました。また、お話したように、僕を可愛がってくれた祖母も亡くなった。こうした肉親の死に接したとき霊体験的なことに出会って、そういう世界が確実にあるんじゃあないかと心の片隅で思うわけです。僕は毎朝起きると、仏壇に飾ってある父と祖母の写真に向かって必ず手を合わせます。『今日は一日、何もありませんように。自分の関係する人たちにも何もありませんように』とお線香を上げるんです」

丹波 仏壇に向かい、亡くなった肉親やご先祖さまに手を合わせる。そして、一日の無事を祈る。生島さんに限らず、これは多くの人たちが習慣として行なっている行為である。だが、霊界の視点でこうした習慣を見ると、かなり無駄なことをしていると言えなくもない。
 生島さんのケースで言えば、生島さんがどう考えようと、守ってくれる霊は必ず守ってくれるものなのだ。であれば「お父さん、おばあちゃん、守ってください」と言うよりも、もっと有効な手の合わせ方がある。
 たとえば「おばあちゃん、僕をかわいがってくれて本当にありがとう」と感謝の心で手を合わせる。ニコニコしてお礼を言うのである。これが霊に対する一番大切な心構えなのだと思っていただきたい。
 霊といえば、守護霊についての話も出た。
 生島さんは次のようなお話を聞かせてくれた。

        よい守護霊がついている、と言われたんですが……


生島 以前、ある新興宗教を始めた人からこう言われたのである。
 「その方に『生島さんの後ろにはよい守護霊がついています。だから、堂々と胸を張って一生懸命に生きて行きなさい』と言われたんです。そのとき初めて、守護霊のことを知りました。しかも、守護霊にはランクがあるんだとも言われたのです。『よい守護霊がついてる』と言われて……。
 僕はいいことだけを信じるようにしていまして『僕にはよい霊がついてる』と思うんですが、あれはついたり離れたりするものなんでしょうか?」


丹波
 守護霊という名前を見てわかるように、悪い守護霊はしない。ただし、生島さんが教えられたように、ランクはある。守護霊のランクが上位であるほど運がよくなるのはあらためて言うまでもない。
 どのランクの守護霊がつくかについては、ルールのようなものがある。だいたい、ご本人のランクの二階級上の守護霊がつく。人数も一人ではない。平均すると、霊の数は三人と考えればよい。
 それは、守護霊、背後霊、指導霊の三人。それぞれ役割分担が違う霊である。守護霊については、ここでは一つだけ強調しておく。
 「あなたが守護霊に守られていると意識すれば、守護霊も守りやすい」
 守護霊は危険信号を送り、あなたを危機から助けてくれているのである。
 つまり、運がよいのも守護霊のおかげだと感謝をする心が大切なのだ。
 逆に、すべてがうまくいったのは自分の力と、守護霊を無視して増長かるとどうなるか。無視されれば、守護霊だってだんだんやる気をなくしてしまう。要するに、一生懸命になって助けることがバカバカしくなるのである。
 「全部自分の力」と思い込むことが度重なっていくと、守護霊は行動を起こすことになる。あなたの身勝手さにすっかり嫌気がさしたその守護霊は、ほかの守護霊にバトンタッチをしていまうのである。
 「守護霊から守護霊へのバトンタッチなのだから、単に人が交替するだけ。べつにどういうことはない」
 もし、こう考える人がいるとしたら、とんだ心得違いだ。
 なぜなら、こうした場合のバトンタッチは、決して上位にはいかず、1ランク下への譲渡になるからだ。その結果、守護霊の力が弱まり、あなたの運は徐々に悪い方向へと傾いていくというわけである。

            「死ぬまで元気」がなによりのこと

生島 「いつ死んでもいいんだと思っていると、本当にそうなるから考えないほうがいい、というのはどうなんですか」

丹波
 生島さんにこう尋ねられた。私の答えは、すでに紹介したように「生島さんがどう考えようと、死は一秒の狂いもなく決まっているものなのです」というものである。
 健康に注意して生きていようが、健康に全く無頓着に生きていようが、死ぬ時期はキッチリと決まっている。どうあがいてもダメだ。
 ただ、健康で生きていたいだろう。死ぬ瞬間まで元気に生きていた方が良いにきまっている。

生島 「死ぬまで元気でいたいですね」

丹波
 まさに、生島さんの言うとおり、それがもっとも望ましい。お金でも名誉でもなく、健康であるというのが人間にとってもっとも幸せなことなのだ。死ぬ一秒前まで健康そのもの。そしてポックリと逝く。これが理想である。
 こうした死を実現するためにも、霊界の真実を多くの人にもっと知ってもらわなければならない。
                                         (つづく)