江原 敬之さん
( スピリチュアルカウンセラー )
秋山眞人さん
( 超能力研究家 )
   
 

 【第22回】 2002年6月掲載用

     今月は、先月に続き最強メンバーです。
     我国の心霊研究の若きリーダーといっても過言ではないと思います。
     江原啓之さんと、秋山眞人さんです。もうすっかりとお馴染みのお顔です。
     今月は、21世紀を語っていただきました。


             21世紀を迎えて


丹波 21世紀は、これからの人間のありかた、方針をしっかり決めなければならない。それは矢張り霊界研究だ。これがいきなり霊界研究と言ってしまうと、判らない、あるいは反発等の諸々があるかもしれない。
 要は、命とは何う言うものなのか、命は100年なのか、150年なのか、あるいは戻って50年なのか、その様に区切った場合には、自分が生きている間に出来ることが全てと言う事になる。
 継続と言うことを考えないと、やる事、スケールが小さくなる。これだけの世界人口が膨れ上がっている現在、距離というものが輸送手段の発達で縮まった今日、何を基準にして大勢が力を合わせて、お互いが、お互いをケア(世話・介護)して前進して行くかと言うと、その中心的な考え方は「死なない」と言うことだ。  即ち生命の永遠と言う事をしっかりと自分の中にうち立てないと出来ない。

江原 神なんて信じないと言う方でも、魂があると言うことには気付くと思うんです。繋がりと言うことでは、例えば私達が日頃使う、言霊だとか言う言葉にも魂があり、私達は霊的な存在であると言うことは漠然とは理解されていると思うんです。
 よくある質問ですが、「何故霊界があるのですか?」というのがあります。
そんな時に、私はこう聞きます。「じゃあ、何故あなたがいるんですか」と。
 皆さんは霊的な世界が何故あるのかと思うのと同時に、死と自己の存在の不思議ですよね、何故自分が居 て、何故こうやって生きているんだろう…親兄弟…何故生きているんだろう?…そう言う様な部分にもっともっと光が当たって行く様になると思うんですよ。
 それが理解出来た時に初めて協力の輪、即ち他の魂も目的…カリキュラム(課程)は違うけれど、求めているものは同じであると言う事に気が付いて、目覚めていくと言う様になって行くと思うのですが。  

秋山 死なない、続いていくと言う事は、人類は本来時間に関わらない(束縛されない)本質を持っていると言う事を、認識出来るかという問題があるんです。
 世紀という区切りがありますが、原始宗教ではウロボロスのヘビと言うのが、象徴的に昔の壁画などで描かれています。それは一匹のヘビが自分の尻尾に噛みついて、始めと終わりが一緒になっちゃう世界をあらわしています。
 しかし、この世の人々は始めと終わりがないと、どうも落ち着かないようなんです。でも、本来人間の魂に始めと終わりはないんです。永遠なんですが、否定者等に真っ向から対決する勇気を持たない限り、そう言う広い自由自在を受け入れることが出来ないんです。
 21世紀は古い時代のしがらみ、戦争だとかお互いを認め合わないこと等から、本当に離脱出来るかどうか見極める大切な世紀になるでしょう。殻を抜け出せないと、本当に綺麗な蝶々にになれないんじゃないかと…逆にそう言う不安もあります。  

丹波 20世紀はいろんな事件がありました。それ以前の徳川時代三百年の国内平和というのは、世界に類の無い事です。それは鎖国ということで築いた平和です。
 鎖国は人口の増加を許さない。生産量が決まっているのだから増えすぎればパンクしてしまいます。日本の次は外国に誕生する魂も出て来る。それが明治維新になって、どっと文明が進み人口も増えます。舶来品を好むというのは、実はヨーロッパから帰ってきた魂が非常に多いわけです。
 世界のリーダーになる要素というのは、日本人の中に温存されて今日が来ていると言えます。戦争であれだけ傷めつけられても、世界のリーダーの一角として存在しているわけです。
 全人類を引っ張って行く原動力というのは、戦争で使用する兵器等ではない、心、魂なんだ。
 英国での心霊協会の崩壊等ありますが、研究のリーダーが日本に移りつつある状態ではないのかな。


江原 私は英国で勉強させて頂きましたが、残念ながら研究は崩壊しております。スピリチュアルヒーリングだとか、そう言う世界でも英国はすごく発展しているという話だったんですけれど、実際は違っていたんですね。   

丹波 僕が行った頃は個人的にやっている家庭交霊会と言うもが、もの凄い勢いで蔓延と言うか、行われていました。  

江原 そう言うリーダーが居た時代だったのではないでしょうか。英国ではヒーラー(癒す人)の数も九千名と言う時代がありましたから…今はヒーリングに保険まで適用されるようになったのですが、その裏では霊的な存在は一切伏せろと…言わなければ国民の中に浸透して行くんだと言うことで、心霊協会は組織を大きくするために魂を売ってしまったんですね。今は流れが東洋、日本にあると思いますね。  

丹波 アメリカでは、判事さんで大統領候補にまでなった人ですが、霊界研究に打ち込んだものだから大統領になれなかった方が居ます。その都度その都度中心人物が居たのですが、傑出した研究会が今迄はあったんです。
 英国は中心になる心霊協会が軟弱なんだ、決定的に 霊界が有ると言う断が下せないんだ。その為に方々から嫌がられて脱会者も出ましたよね、その筆頭が有名なシャーロックホームズの作者コナンドイルですよ、オリヴァーロッジもそうだと思います。フランスで催眠術も研究したリシェ、この人は学者で霊界の説明をおこなったが、最後になってだめになった。最後の断を言うと職を追われたんです。教授という職を失うんです。
 コナンドイルはイギリスの作家です。医者でもあったが周りを気にしないで自分の成果を発表出来たのです。僕は俳優ですから、見栄も外聞もありませんよ。人気なんて言う物はどうでもいいんだから、霊界研究を何の懸念もなく、宣伝マンとしても転じることが出来たのです。
 私の場合は、俳優になりたくてなったのではないと思います。俳優になる方が宣伝マンとしてのお役めを果たすには、一番良い職業だったんだと、それは結果的に今は感じている。ですから私は、霊界の存在はハッキリと証明しようとしています。  

  ※コナン・ドイル/1858‐1930
      交霊会に出席するなど熱心な心霊研究者で、各国で講演を行う。

  ※オリヴァー・ロッジ/1851‐1940
      英国の物理学者。戦死した息子レイモンドやマイヤース霊等の通信は有名。

  ※シャルル・リシェ/1850‐1935
     パリ大学医学部生理学教授。1913年ノーベル賞受賞(生理医学賞)




秋山 本当に重要な道筋だと思います。学者さんの中に霊界を認めるという流れが、イギリスでは出て来たわけなんです。
 ところが学問の根底を揺るがす問題が沢山ありまして、物理学の方の人は霊界があると認められると、困ることが有るんです。自分たちの方程式が成り立たない場合が出て来たりするんです。これは矢張りテリトリー(領域・縄張り)合戦になるわけです。それで、インチキな交霊実験もなかにはあって、それを指摘されると、英国心霊科学協会は一旦どうも霊界は無いのじゃないかと云う方の考え方に転ぶんです。
 しかし、エジプト考古学の吉村博士も言っていたのですが、霊界との関わりというのは文化なんです。人類は国、小さくは村と言う単位がありますが、集団を作ると同時に霊的世界と言うものが伝承のなかに始まっていくわけです。ですから長い歴史のなかで、認めなかったこの100年と言う時代の方が異常だったと思います。
 ある意味で先祖返りと言うか、人間が文化の本質に帰る時代がこれからなのかなぁと思いますし、そう言う意味では何処からそれが始まるかと言う、学問から始まるのではなくて、例えばメディア(情報媒体・ラジオ、テレビ、雑誌等)や芸術、演劇であるとかそう言ったところから、人間がもう一回霊的なものへ帰ると言う道筋が出来ると思うんです。そう言う事を考えていきますと丹波先生の役割と言うのは、本当に大きいと思いますし、霊界が先生を選ばれたと言う事はちゃんと筋道が通っていると思います。  

丹波 何故、私がその様な使命を頂いているかといろいろ吟味してみると、家は学者閥です。千年前の丹波康頼は医心方(医学書)を出しています。その後丹波家は学者が続くのですが、その中で私が役者になると言う事で、一時大変迷惑がられ、一族一同から芝居は見る方に回れと言われました。
 でも、現在では何か行事がある場合は、丹波の家の代表として引っぱり出されます。(本名正三郎で三男)私が何故霊界研究の使命を貰ったのかなと自己分析した結果、やきもちを焼かない、それが決定的なものだと思います。


     「シックスセンス」「フェアリーテイル」「アザーズ」など
      精神世界を取り上げた映画が
最近、多く発表されています。


丹波 私も両方見ましたが、深夜衛星放送を見ていると、霊界映画が大変多いんだ。

秋山 フェアリーテイルはコナンドイルの妖精物語を扱っていますが、なかなか史実に基づいているじゃないですか、感動致しました。 江原 私はこの現象をスクリーンの世界ではなくて、自分自身にどんどん当てはめていくことだと思うんです。それと、共感を得るからそう言う映画を求めるわけです。
 これまで、精神世界の間違いがこの百年の間に多くあり続けたので、これからは一人宗教の時代だろうと…それは、一人が何かの宗教に入るというのではなくて、自分は自分の魂を知っていると言う事…。  

丹波 一人宗教!  

江原 そうです。自分自身には自分独自のスピリット(魂・守護霊)が見守って居て、又、グループソウル(類魂)が居て、なにもいろんなお告げがある所で拝むのではなくて、それは一つの情報として受けて、しかし自分自身のグループソウルを求めて行く様になるだろうと思います。

秋山 一つ一つ僕は江原さんの言う事に共感するのですが、個人の時代になるわけですね…今迄個人の時代と言うのはしばらく無かったわけです。それこそ日本では個人で海外旅行なんて言う事はなかったわけです。
 本格的な個の時代、個性個性と言い出すと、次に正しさに拘ってきます。正しいは一線を止めると書いて正しいという漢字になります。その正しさに変に拘ると逆に縛るようになって来るんです。
 精神世界では例えばカルト(宗教的異端の小集団)なんか生まれるから精神世界は悪い等と言ったり、それがテレビで流れて全てが否定されたりして…、縛る正しさを求めるのではなく、解放される正しさと言いますか、何が私達の中にいて永遠なのか、何が素晴らしいのか、個々でそう言う世界と対話しながら、皆さんがそう言う時代に行く様な時代になると思います。
 聖書のヨハネの黙示録の 中に、ダビデの若枝と言うのがあるのです。一人の救 世主が又現れて世の中を変えるのではなくて、今度の世の中の変換と言うのは若い枝によってと…。
 つまりいろんな魂のネットワークというものが、皆個々に自分の事をやるように見えて、全体が変わっていくと言うようなことをこ の詩は予言しているのだと思います。そして世界が霊 的につながっていくと私は解釈しているのです。 丹波 世界がつながっていく…それが大目的だ。さもなければ永遠に戦争と言う事が繰り返されるんだ。世界中の人類が一つに結びつく、お互いがお互いをケアし合う、これは永遠の生命と言う事を土台に置かないと、どうしても崩れてしまいます。
 永遠に生きているんだ。形、即ち肉体が無くなっても中身がそのまんま生きて成長し続け、正しさは正しさ、丸味は丸味を増して行くんだと言う事になると、人のためにケアすると言う余裕が生まれます。この余裕が大事なんだ。譲り合いは余裕がある場合生まれる。
 永遠の生命と言う事に立脚した場合には、他人に対するケアが違います。心から出来るし、ケアすることが喜びになると言う事になれば、世界が更に又、一つの輪になるのには一歩も二歩も前進すると言う事になります。
 霊界研究をすればするほど、生命は永遠だと言う事が実感されて来るから、これ以上の平和への道はない。霊界研究、即平和の道。そしてこれから向こうへ旅立とうとする者から、恐怖心を取り去ってやることが出来る。
 向こうへ行くだけなんだから、死というものに対する恐れが無くなります。人間界での終末と言われている姿の消滅と言う終末、実際は中身はそのままなんだけれども、その際、堂々たる終わりが出来ると言う事になります。
 各自が各自を尊敬し合うようになって、尊敬している者同士の中で犯罪は行われませんよ。立派な終焉を迎えた者に対しては悪口は言えませんよ。そう言う様な世の中が誕生するには、霊界研究しか道は有りません。         (続く)

                《来月のゲストも、江原啓之さんと秋山眞人さんです》