美輪明宏さん
(シャンソン歌手、俳優)
横尾忠則さん(美術家)
 江原啓之さん(スピリチュアルカウンセラー)
   

 
 【第2回】 2000年10月掲載用

 ● 霊界通信は出来るか?


 現在の霊界通信実験は、当事者(研究者など)の手の中にあります。内容は、一方通行から相互間の通信まで様々ですが、まだまだ不明点、不鮮明な個所が多く、それを一般の人、霊界など信じないと言う人まで、納得させる物が今後出来るかどうかについてです。

丹波 霊界通信は、現在霊界電話がまだ出来ていませんね。部分的には出来ている。
(電話で亡くなった方と話をした例等)テレビの映像で(霊界の映像を)捕らえる実験は、かなり進んでいます。ただ電話がまだなんだ。  例えば、江原さんのように、特定の人しか交信できないんじゃ駄目なんだ。誰でもが霊界と電話できるようにならないと。 それが出来たとき我々の役目も無くなるかもしれませんね。

美輪
 永久に出来ないんじゃないかと思うの。

横尾 僕もそう思いますね。

丹波 霊界電話?

美輪 地球というのは、天界と地獄界(魔界)と言う両方の世界から修行に来ている修行場な訳でしょ、正負の法則があるの。正(プラス)良いことが有れば、負(マイナス)悪いことがあるの。

丹波 霊界電話が出来ないと言うのは、その魔界などが邪魔をしていると言うわけ?

美輪 そうじゃ無くって、地球の法則自身が魂を磨くためにあるわけだから、苦労したり悲しんだり、良いことがあったり、地獄に堕ちて「ちくしょう、魔物になってやる」何てやけくそになって、でも「嗚呼このままじゃいけない、良い人でなくてはいけない」等自分の戦いの中で魂のグレード(等級)をあげて、純粋エネルギーにして神、佛という全人格(調和した円満な人格)的にしていく修行の場だから、何もかも判ってしまったら、修行する必要が無くなっちゃいますからね。私は必要ないから永久に出来ないと思いますね。

丹波 エジソンは霊界電話を発明することに全エネルギーを注ぎ、その余力で他の物を発明しましたよね。

美輪 だから、他の物に行っちゃうのよ。面白いわよ、意地悪な人とか、身分不相応なお金を持っていたり、豪邸を持つのにふさわしくない人が豪邸を建てたりすると、建てて幸せな分悪いことが必ず起こるの。
 芸能人でも有名人でも、何か不幸を背負っているから、プラスマイナスゼロになるようになっているの。
 人は良いことばかり願うじゃない、でも幸せに結婚しても必ず不幸が付いてくるし、人気が落ちたり、病気になるとかね。でもそれを嫌がっちゃ駄目なの、地球の法則なんだから。悪いことが起きているからって、やけになっちゃ駄目なの。それだけ不幸が起きたのなら、必ずその分だけ良いことが起こるんだから。

江原 そうですね、そういう法則の中で成り立っています。

美輪 地球に居る以上、その法則を知っていれば楽よ。


 ● 死後の生を知る意義とは?


丹波 これはもう大変な意義だよ。「生命が永遠である」と実感できれば出来るほど、人のために尽くすと言うことが当たり前になってきます。
 生きていることが一回キリだとしたら、人はどんな事を考えるか?、自分中心になるでしょう。自分の御余りを人にあげるくらいがせいぜいでしょう。ところが永遠の生命となったら、人のために尽くすなんて当たり前の事じゃないですか。ところが実に微妙なことなんだが、ボールでも投げて何かに当たれば、必ず返ってくるでしょう。人のために尽くしたことは必ず返って来るんです。

美輪 それは(人のために尽くしたとき)、倍になって返ってくるの。

丹波 必ず返って来るんだ。この世で返ってこなくても良いんだ。そんな事は関係ないんだ、霊界銀行に貯蓄するものは、人のために尽くした事だけなんだ。人のために尽くす、その為にこの世に生まれてきたんだと言っても過言じゃないんだ。その意義を知るのと知らないのじゃ、かなり(生き方が)違ってくるじゃないか。人世街道と霊界街道が地続きだと判れば、心に余裕が出来ますね。

美輪 日本の金持ちはプラスとマイナスの正負の法則を知らないのよ。ゲット(手に入れる)するばっかりで、社会に還元することを知らないの。 ビルゲイツ(コンピュータ関係企業主・世界的大富豪)なんかは、子供にいくらか(それでも数千億円)残して、後は全て寄付して世界に還元すると発表したわよね。その他世界規模の人はみんなそうよね。ところが日本の金持ちは人に渡して堪るかになっちゃうの。だからみんなひどい目にあっているわ。

丹波 それに比べれば、俺なんか顕微鏡的かもしれないが、我が家を寄付しようとしたんだ、しかしいろいろ面倒なことがあってうまく行かないんだが、現在でもその方向で進んではいるんだよ。

美輪 何言ってるの、(人の為は)有形無形があって、丹波さんは人にいろんな物あげたり、儲かりもしないのに霊界の映画を創ったりして、人のためになっているじゃないの。その時は損をしても結局はプラスになる訳なの。

丹波 そうなのかな、物に関しては何故かツイあげちゃうんだよ。


 ● 生まれ変わる人、生まれ変わらない人


丹波 生まれ変わらない人というのは、その必要が無い人だ。我々は百人の中そうだね、九十五〜六人は天国じみたところへ逝きますよ、天国と言うのは別に変わったところでも何でもないんだ。極当たり前の所、そこに大体四十〜五十年間いるらしいよ、向こうの時間じゃなく人間界の時間に換算して。
 そうすると飽きちゃうんだね、飽きというのは付き物なんだ。飽きちゃうと、そこで今度はもう一遍死のうとするんだ。
 人間界で死んだのは、肉体を落として魂だけになったんだが、魂と霊の違いというものが有るんだ。魂は飼い犬で霊は野良犬なんだ。何う言うことかというと、魂とは肉体の中に入っている、つまり犬小屋を持っているから飼い犬、これを魂と呼ぶんだ。犬小屋のないものは霊と呼ぶんだ。

美輪 生まれ変わる回数は、お釈迦様がお経の中で言っているのは、数え切れない億、兆単位以上、ほとんど永遠だと言っているの。それを克服した最後の段階がいわば最終学歴の釈迦だったの、如来になると生まれ変わる必要がない段階、観世音菩薩は如来になる資格がありながら修行のために菩薩に留まっていたりして、段階があるとされているのね、これが仏教的説明なの。それまでは、お金持ち、貧乏、白人、有色人種色々経験し勉強するのよ、つまり、生まれ変わらない人は卒業生なの。だから勉強が足りなかったら生まれ変わって、不足分を学習する訳なの。

横尾 生まれ変わりについては、死んでからどの境域に逝くか判りませんけれども、魂のレベルによって逝く境域が決まるわけでしょ、そこで努力して這い上がろうとしても、仲間がグルーピング(分類)されて集まって来るじゃないですか、しかも学校と違って、秀才や劣等生がいなくて全く同じレベルだから、修行と言うか向上心が起こらないですよね、それを天国なんて言っているらしいんですけど、そこで修行しようなんて言ったら、並大抵の事じゃない訳です。

丹波 天国と言ったら、だいたい幽界のトップクラスあたりですよ。

横尾 だから、肉体を持っているこちらで修行した方が、身体は楽なんですよね。

丹波 じゃあ、俺はうっかり向こうへ逝って、「しまった!」と思うかな。

横尾 イヤ、丹波さんは知りませんけど。 ( 笑 い ) 肉体がある間は、誰かに対して問題解決してなければ、そこへ行って話し合って問題解決できるし、借金なら返すこともできるじゃないですか、ところが向こうへ逝ってしまったら、それが出来なくて想念だけが残ってしまい、現世でやっとけば良かったと思うんです。

美輪 霊界で修行すると言うのは、余程の上級霊じゃないとできないの、中途半端な霊というのは、魂を修行させるには肉体を必要とするのよ。向こうでは、想念だけで生きていけるから何の苦労も要らないの、だから想念だけで自分を高めていって、純粋エネルギーにしていくというのは大変なことなの。だから中途半端な開発途上の霊魂は、肉体がないと困るのよ。
 生まれ変わって、人種差別や、容姿の違いがあって、苦しんだり、悩んだり、悔しがったりいろいろ有るじゃない、それを是正し、自分を励まし助け合ったりして、「こんなことじゃいけない」となるの。肉体と言うのは魂を修行させるための道具なの。その必要な道具を得るためめには、この地球しかないのよ。
 この肉体はそのための道具なのよ。

丹波 結論として、生まれ変わる変わらないは、霊格の高い低いはあまり関係ない。自分の積極性、自分の霊格に合わせた修行のやり方を選ぶわけで、必ずしも、人間界に帰るから霊格が低いというわけではありません。そこのところを間違えないように。


 ● あの世の時間は全てが同時に存在する


美輪 江原さん、もう本になったから話しても良いでしょ。 (「あの世の話」青春出版)

江原 ええ、どうぞ。

美輪 (江原氏が)佐藤愛子さん(第六十一回直木賞作家)とお話になったでしょ、私もあの方とのお話に面白いのがありましてね。北海道の佐藤さんの家に現れた霊が、家の間取りや、そこの村や祭神について話すんですけど、現在と違うのよね、「そうじゃない、そんな家も村も神様も有りません」と説明しても駄目なの、ところが後で判ったんだけど、昔、古代にその霊が言ったとおりの建物や、アイヌの部落があったんですって、霊にはその古代と現在が同時に見えちゃうんですよ。

丹波 大体ね、向こうの世界(霊界)というのは過去現在未来というのは同時に見えるから、だから予言というものも成立するんです。時間、空間全てが同時存在。霊界で起こることは時間をずらして必ず人間界に現れますよ。