丹波哲郎が語る「死後の世界の実相」

〜第48回〜
《2004年11〜12月号》



          『週刊大衆』連載中
                平成16年11月8日から40回の連載記事から

  宇宙に訊け(そらにきけ) 其の1

この世は、あの世で暮らすための修行の場である


 
  ★ 来世の宣伝マンが薔薇色の「死後」を説く


 読者諸君、私が〃霊界の宣伝マン〃丹波哲郎であ〜る。私がなぜ、これから皆さんに霊界について語るのか。それは皆さんが私のことを、そして私が語る言葉を、いま、まさに必要としているからなんだよ。
 すでに私も82歳。本来ならばだ、そろそろ人生のフィナーレを静かに迎える歳だ。しかしながら、一向に仕事は減る気配がない。いや、それどころか、ますます増えている。テレビ、映画、舞台、さらに講演や本の執筆……どうやら、私が現世でしなければならないことは、まだまだあるようだ。
 それにしても、いまの世のなんと物騒なことか。世界各地でテロが続発し、紛争の火種は絶えずくすぶっている。我が日本はどうかと目を移せば、こちらも信じられない事件が日々報道されている。犯罪の凶悪化、低年齢が年々進んでいるというんだから、なんとも嘆かわしい。
 こうした争いや犯罪の根本的な原因は、いったい何なのか。
 それは、多くの人々が、いまだに「人間は死んだら終わり、すべてが無になる」と考えているからだ。死の先に何もないと考えているから、「旅の恥はかき捨て」的な人生を送るんだ。最近は、そんなヤツらが増えている。
 ところが、どうだろう。もしも、「生命は永遠である」、あるいは「この世の先には、あの世がある」と考えることができたら。おそらく、自分さえよければいいというような人生にはならないはずだ。少なくとも「旅の恥はかき捨て」的な人生など、金輪際送れない。

 戦争や犯罪など、とんでもない話だし、間違っても人をわたむ、恨むなどといった感情は抱かなくなるのはずだ。それどころか、自分の力の及ぶ限り、不幸な人に手を差しのべいと思うだろう。いや、実際に行動に移さなくとも、そう考える人が増えるだけで、この世は良い方向へ向かっていくんじゃないかな。
 だから、私は自ら〃霊界の宣伝マン〃になったんだ。来世について、ひとりでも多くの人に理解してもらおうと日夜活動してきたわけだ。

 死後の世界、来世……私の50年近い霊界研究によれば、そこは永遠の生命と心の平安が得られる、それは素晴らしい世界だ。じゃあ、人間は死んだらどうやって霊界に行くのか。いわゆる大霊界の全体像と仕組みについて、ざっと説明してみよう。

 まず、ある人が死んだとしよう。いわゆる医学的な死だな。すると、その人の肉体から霊魂が遊離する。これが幽体離脱だ。まもなく、ひどい騒音で目覚める。欧米では「ハリケーンの音」ともいわれる。体から幽体がはがれる音だな。このあたりのことは有史以来、臨死体験者のほとんどが語っている。

  死んだことに気づかず幽霊になるケースも……

 目覚めると、自分の死体の2〜3メートル上から死の現場見ている自分に気づく。横たわる自分の周りでは、家族や兄弟がすすり泣いていることだろう。そこで、みんなのそばに行き、声をかけてみる。ところが、誰も自分の存在に気づかないんだ。相手には自分の姿が見えず、声も聞こえない。映画『シックス・センス』を見れば、よ〜くわかるはずだ。
 誰も相手にしてくれないから、今度は友人やお世話になった人のところに行こうと思う。すると、瞬時にそこに行ける。だが、友人たちも、やっぱり気づかない。こうして、死んだ人間は幽界をさまよう。つまり人が自分自身の死を自覚するための時間だな。さまようのは50日間前後。(正確には人によって全く異なるが一般的な場合と考えて欲しい)仏教の四十九日は、ここからきている。
 ところがだ、死んだことに気づかないヤツもいる。事故で死んだり、誰かに殺されたりした場合に多いな。自分はまだ死んでいないと錯覚し、未練があるから、この世に止まるんだ。これが幽霊だよ。
 一方、死を自覚した者が次に向かうのが精霊界だ。ここは死者が人間界で身につけたしがらみゆアクを捨て去るところだ。善は善そのもの、悪は悪の本性剥き出しとなる。要するに、自分の思いのまま、ここで生きるわけだ。心が〃素〃の状態になっているといってもいい。
 〃素〃の状態になったところで、当人にふさわしい次のステージ、つまり大霊界のどこで暮らすかが決まるんだ。それは、次のように上から7つに分かれている。

 1.神界層 2.天上界 3天界層 4.霊界層 5.一界層 6.二界層 7.三界層
 
 7つの世界のうち、1.の神界層は我々がいう神が君臨する世界だから、どんなに霊格の高い人間であっても入ることはできない。
 まあ、現世において、悪いことをすることもなく、素直に明るく、ごく平凡に生きた人は、たいてい4.の霊界層に行くな。一般に地獄と呼ばれるのが5.〜7.の一界層から三界層だよ。
 ボウフラは汚いドブの中、ゴキブリは湿った冷蔵庫の下が安住の地であるように、地獄は地獄の雰囲気を吸うのにふさわしいヤツのために用意された世界と思えばいい。
 さあ、もうおわかりだろう。霊界における運命を左右するのは、この世で、どう生きたかということなんだ。
 いい換えれば、この世は、あの世へ行くための修行の場。我々人間はこの世で悩み、苦しみ、さまざまな試練を積み、あの世で暮らすのにふさわしい人間へとレベルアップしていくべきなんだ。これを知らず、ただ自分の欲望を満たすためだけに生きていると、地獄に落ちかねない。そして何度でも、この世に生まれ変わり、苦しい人生を繰り返すんだ。
 さて、君は死後、どの界層に行くのか。それぞれの界層は、どんなところなのか。そんなことを少しずつ話していこうじゃないか。
 
                                       《次回につづく》