7.霊の存在について

      霊の存在を証明するわかりやすいエピソードはあるのでしょうか。


この答えにたいしては、まず、ある大新聞に載っていた
福岡県粕屋郡の高枚数師の方の体験をお伝えしてみよう。

福岡県の粕屋郡から鞍手郡へ抜ける道に犬鳴峠というさびしい峠がある。
この峠に あるトンネルで、雨の土曜日の夜にはきまって事故があるといわれ、
しかも事故をお こすのはすべて白い車だという。
そんな噂を聞いていた教諭が、ある土曜の夜に友人と小料理屋で酒を飲んでいるとき、雨が降りだした。
そのとき彼は、あの嫌な噂を思 いだし、トンネルに行ってみようという衝動にかられたという。
あくる朝、彼がテレビのニュースを見ていると「昨夜遅く、犬鳴峠で15人死傷」 と報道された。
酒を飲んだ若者たちが、噂の峠へ幽霊を見に行こうとして鞍手からの 車二台と、
福岡、北九州からの車4台がトンネルの入口付近の三差路でハチ合わせと なっての事故だった。
テレビに映った現場での車の残がいはみな白く見えていた。
そして、いく日かすぎたある日、彼は友人の脳神経科の教授をたずねた。
そこで酒 盛りとなり、だいぶ酒がまわったころ、教授に「幽霊の存在をどう思うか?」と彼が たずねると、
「いるなら見たいものだ」という返事が返ってきた。
というのも、かつて その教授には、こんなことがあったからである。

ある夜、教授が佐賀から福岡へ帰る途中、ある峠でエンジンがプツンと止まった。
すぐにかかったが、その後も同じ場所で同じことが3回もつづいたという。
その後、その付近から三人の女性の殺人死体が発見されたのである。
教授は〃3〃が偶然にも 重なったことに興味をひかれたという。
むろん、教授の車も、高校教諭の車も白であ る。──

この脳神経科教授の体験例は、「近代心霊術の発祥」と名づけられた
フォックス家の話と共通点がある。
1848年3月31日、アメリカのニューヨーク州ハイズベルでのこと。
ジョン・ フォックスとマーガレット夫人、その二人娘、15歳のリーと10歳のケートが、
引っ 越してきた家で何年も前に殺された男と交信したというケースである。
フォックス一家が引っ越してきたのは、前年の12月だが、
すでにその前からこの家には幽霊がいるという噂があった。
引っ越してしばらくすると、夜中にコツコツという音が聞こえる
(現在では、このような霊が叩くような音を出す現象をラップ現象、ラップ音と呼ばれている)
ようになり、娘たちはこわがって両親といっしよに寝たいといいだしたほどだ。
しかし、3月31日の夜、11歳のケートが思い切って霊の合図と思われるその音に
「幽霊さん、わたしの声が聞こえますか? 
もし、私たちに何か聞いて欲しいことがあるのなら教えてください。
私の質問にもし『イエス』ならば1回、そして『ノ ー』だったら2回ノックをしてください。
わかっましたか?」と、語りかけると「トン」と、音が応じてきた。
この通信(音による)方法にフォックス夫人も加わり、彼女の子供たちの年齢を聞 いてみた。
すると皆の年齢を当てたばかりか、3歳で死んだ子供がいたことまで答えた。
そして、フォックス一家は根気強くこの〃霊〃との交信をつづけた結果、
とうとう彼(霊)が何年も前にこの家で殺された人間だということがわかった。
そればかり か、実際に男の遺骨も出てきたのである。

この死者との交信は、全米に広がり、また現代につながる心霊科学のスタート台ともなったのだが、
先の話の峠でエンジンが3回も止まった現象は、
その付近にあった 3人の女性死体のうちの誰かが自縛霊となってその場所にとどまり、
彼女たち3人の死体の存在を現世に連絡すべく霊が働きかけたことによっておきた現象だったと考えられる。
このように霊の存在を示す実例は数多く認められるし、古今東西の数多くの心霊科 学研究家も、
最低限次のような前提だけは認めているといってよいだろう。

 ──人間は肉体の死後も、霊魂として生存しつづけている。
それは、稀薄な一種の幽体(エクトプラズム)であり、一定の重量、そして実質をもっている。
肉体の死後、 霊の住む世界は、地球のまわりを包む霊界であり、
人間とのあいだコミュニケーションを保つことが可能である。
そして、現在の科学ではまだ解明できないが、心霊作用は人間に驚くべき力を発揮させることができる──
ところで、こうした霊界や霊魂の存在〃を証明する代表的な霊現象と私が考えているのは次のようなものである。

霊視と心霊写真──幽体は一定の重量、そして実質があるのだから、
適切な方法を こうじれば視ることも、写真を撮ることも可能である。
だが、確実な霊視ができる能 力をもつまでには厳しい修業と精神統一が必要とされることが多い。

霊聴
──霊が発する音や、霊が語っかけてくる場合で、半睡状態のときにおきる。

霊言
──亡き人の霊などが霊能者の口を介して、しゃべる現象。

自動書記
──本人の意志とはまったく無関係に、その人にある霊が作用して絵や文章、
小説などを書かせたり、作曲をさせたりすること。

憑依現象──広い意味では自動書記も霊聴も、あるいはポルターガイスト(騒霊) なども含めることができるが、
通常なんらかの霊障を生じる霊現象をいう。

霊界通信──これも広い意味では霊言や自動書記を意味することができるが、
人間の側から働きかけて音声現象など科学的な装置を用いて霊界と通信すること。

心霊治療──霊障の結果生じた病気を、除霊や因縁解除などによって治療すること。
あるいは一般の病気を霊の導きによって外科的な方法・手術で治療すること。

 右のほかに、調査・研究によって実証された生まれ変わりや健康人・近似死者による〃幽体離脱〃体験、
霊能者・近似死体験者による〃死後生〃体験なども、〃霊界や霊魂の存在〃を証明する有力な現象と考えられるのである。

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