5.霊界通信ってなに?

          〃霊界通信〃というのがわかりません。少し詳しく教えてください。


 〃生〃と〃死〃の狭間を超えて異次元の世界から送信されてくる目に見えない知的存在からのメッセージ。
これが死者の〃霊〃と〃人間〃を結ぶ、いわゆる
〃霊界通信〃である。
 アメリカの心霊研究家ハロルド・シャーマンは、「人間の霊魂が死後におしても有在しつづけるならば、
そして死者の霊魂が過去の体験を記憶しており、自己の主体性を意識しているならば、
死者と生者の霊的交信は可能となる」といっているが、
この言葉のとおり、世界の国々から衝撃的な事例が数多く報告されているのである。

 たとえば、名作『二都物語』など数多くの著書で知られた
イギリスの作家ディケンズは、
『エドウィン・ドルードの神秘』という、彼にとっては初めてのミステリー小説を執筆中に、
それを完結することなく1870年7月にこの世を去ってしまったのであるが、
その3年後に完成作品として発表されたのである。
 では、なぜ未完の作品が完成品として発表されたのかといえば、
まさに霊界通信によるものであったのだ。
 この未完の部分を書きあげたのは、アメリカのバーモンド州ブラットロボに住んでいた
T・P・ジェームズという印刷工だが、実際には彼は〃自動書記〃をつとめたのにすぎない。
というのも、ジェームズはそれまで小説を書いたこともなく、
それどころか小説を書く能力などもちあわせてはいなかったからだ。
 つまり、彼は霊界からのディケンズの通信をそのまま原稿用紙に書き綴っただけなのである。
このジェームズによって書かれた部分は、ディケンズ自身がこの世にある ときに書かれたものより、
はるかに長いものであったが、専門家の鑑定によると、考え方や文体、
その文字までもディケンズ自身がペンで書いたと思われるほど似ていたといわれ、
現在では、この小説はディケンズの著作として広く世界に受けとられているのである。

 ほかにも自動書記によって書かれたものは多いが、ディケンズの霊界通信と並んで有名なものに、
ジュラルディン・カミンズの『クレオファスの通信』がある。
これは、 新約聖書の『使徒行伝』の補筆ともいわれるもので、
イエスの死から聖パウロがリビアを経てアテネに向かうまでの期間についての欠落部分を、散文体で再租したものだ。
 この再現された散文体の文章が、霊界通信によるものといわれるのは、
これを完成 させるには、資料の研究上、ギリシャ語、ヘブライ語、ラテン語などのかなり高度の知識が必要であるのに、
カミンズは、それらの語学の知識をまったくもちあわせていなかったからである。
 しかも、聖書研究で世界的に有名なW・E・オスタリー博士をはじめ、
多くの学者や聖職者が声をそろえて「疑いようのないもの」と大鼓判を押している。
 カミンズは、その生涯を全うするまでに、この作品のほかに『黒海の白鳥』など22 冊の著作を残しているが、
そのうち15冊は〃自動書記〃によって書かれたものだったといわれている。

 霊界通信によって書きあげられた作品は、小説ばかりではない。
ベートーベンの霊によって『第十交響曲』(生前ベートーベンが作曲を完成したのは『第九交響曲・合唱つき』までだった)
を完成した
ローズマリー・ブラウンも、霊からの通信を受けるまでは、楽譜はおろか、
満足にピアノも弾けなかったといわれており、霊の力(自動書記)によって
作曲をした事実をハッキリ自身で認めているのである。

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