4.世界のベストセラー〃霊界通信〃とは

         もう少し詳しい、ヨーロッパなどの守護霊研究を教えてください。


 『霊の書(原題名・「Spirits' Book」)』というアラン・カーデックの世界的に著名な霊界通信の本のことを記そう。
心霊研究の発生以来、霊界と人間界(現世)とのあいだに、科学的な観察のもとに通信がはじまった。
その結果、モーゼスの『霊訓』をは じめとして、マイヤースの『永遠の大道』、
シルバー・バーチやホワイト・イーグルの ル霊言〃など、すぐれた霊界通信が受信され、
広く世界に紹介されているのだ。
これらの書は発表以来、多くの版を重ね、数多くの信奉者を得ているが、
いずれもイギリス で受信されたものであり、主に英語圏で拡がったものである。
 さて、『霊の書』は、フランスで受信され、カーデックの手を経て、
フランス語で発 表されたものだが、フランスはもとより、
イタリア、スペイン、ブラジルなどラテン系の国民の間に拡がり、
その発行部数は400万部を超えるといわれ、世界中にセン セーションを巻きおこした〃霊界通信〃なのである。
この完訳は『霊の書』(上・下)と して潮文社から、桑原啓善氏の名訳で刊行されているので、
より深い興味をもって、ご覧いただきたいが、同書から霊界通信による守護霊についての記述を見てみたい。
『霊の書』に登場する通信霊は、聖ヨハネ、パウロ、アウグスチヌス、ソクラテス プラトン、
スウェデンポルグなど多彩な顔ぶれがそろっている。


 カーデックと霊との一間一答を私なりに引用きせていただき紹介しょう。

〔489〕守護や救助の目的で、特定の個人に接触する霊魂がいるのですか。
「いる。霊的兄弟である。即ち諸君等の言う守護霊である」

〔490〕「守護霊天使」とい、言葉に当たるものは何でしょうか。
「高次元の守護霊のことである」

〔492〕守護霊は誕生の時から本人についているのですか。
「その誕生の時から、死の時までである。
なおしばしば、死後も、霊界に入っても本人に付き添うこともあり、
その後の数次の地上再生にも付き添うことさえあ る。
と申しても、この数回の再生にしても、
本人の霊的生命からすればほんのささやかな部分にすぎないのだから」

〔493〕守護霊の使命は、自発的なものですか、義務ですか。
「貴方の守護霊は、書方を守るよう義務づけられている。
というのは、守護霊本 人がこの仕事を受け入れたのだから。
しかし、霊が誰を守護するかは、自己に共感をもつ人々の中から選ぶことを許されている。
ある場合には、この仕事は喜びであり、またある場合には、それは使命ないし義務である」

〔495〕守護される当人が指導にどうしても従わぬ時は、
守護霊がその守護を放 棄するということが、よくありますか。
「助言の効果がないと見てとった時、また低級霊の言うなっになってどう仕様もない時、守護霊は手をひく。
しかし、本人を全く見捨てるわけでなく、言うことを聞くよう努力を続ける。
本人を捨てるのは守護霊ではなく、守護霊の言葉に耳 を閉ざす人間の方である。
人間の方では守護霊に心を向ければ、守護霊は直ぐ戻 って来る」

〔197〕守護霊が、守護している者に書を及ぼす霊のなすがままに、
委せておく などといいうことがあるのですか。
「邪霊達は、善霊の行為を骨ぬきにしようとして集る。
しかし、人間の方の気持が守護霊にピタリと向かえば問題ないわけである。
そこで守護霊の方は、その間、 他の善意の助けてやれそうな人間に目をつける。
つまり、本人の気持が守護霊に 戻って来る間、
守護霊は別の善を為す機会を利用しているというわけである」。

〔498〕守護霊がその守護すべき者を、迷いの道に放り出したままにしておくのは、
彼が本人を迷わせる悪霊をうまく処理できないからですか。
「それは処理できないからではない。彼がそうすることを望んでいないのである。
と言うのは、振りかかる試練を通じて、本人がいっそう賢くまた良くなることを知っているからである。
守護霊の方は本人の心に向かって、賢明な助言を与えて いる。
しかし不幸なことに一向に本人の注意をひかないのである。
悪霊に力を与 えるものは、人間の弱さ、不注意、高慢さである。
即ち、悪霊が人間を圧服する 力は、
人間が悪霊に対して十分に抵抗しないこと、そこから出てくるのである」

〔501〕私共に働きかける霊の行為は不可解に思える面がありますが、何故です か。
守ってくれるのなら、何故いつも守りつづけてくれないのですか。
「もし諸君が彼等の支持をあてにすれば、自分で動こうとはしないだろう。
それでは諸君の霊性の進歩はない。進歩のために人はおのおの経験を必要とする。
しばしば己が犠牲においてである。人間は自力を発揮することが大切、
そうでなけ れば、一人歩きを許されていない子供に等しい。
諸君の幸福を願う霊達の行為は、 自由意志によって諸君を歩かせる、
これが定まったコースである。
もし自己責任 がなければ、人は神に至る道を前進することはない。
人は、その守護する者の姿 を目にすることなく、自力を発揮する。
しかし守護霊の方は、当人の姿を見守っ ており、時を分かず呼びかけている。
危険に気を付けよと」 ──それでも、どこの誰だか知らなければ、
どうやって私共は守護霊に呼びか ければいいのですか。
「お好きな名を付けなされ──読者が共感し崇敬している、
どなたか優れた霊魂の名を付けなされ。諸君の守護霊はその名を呼べば答えてくれる。
善霊はすべて兄弟であり、相互にみんなが助け合っているから」

〔506〕霊界に入れば、自分の守護霊を認めることができますか。
「できる。それは多くの場合は、地上誕生以前に知っていた霊魂であるから」

〔507〕守護霊はすべて、高級な霊達ですか。平均的な進歩段階の霊も割合にいるものですか。
たとえば、父親がその子供の守護霊になることができますか。
「父親が守ることはあるかもしれない。しかし守護ということになると、
ある程度の進歩段階が必要条件となる。更に神により認められる力と徳がなければならぬ。
自分の子供を守る父親の場合は、更に高位の霊の助力を必要とするだろう」

〔519〕協会・都市・国家などの集団は、固有の守護霊をもっているのですか。
「もっている。これら団体は個性の集合体であるが、一つの共通の目的を追求し、
上方へ向かう性向をもつものであるから」

〔520〕集団の守護霊は、個人についている守護霊より、その進歩の程度は高い ものでしょうか。
「個人の場合と同じく、集田の進歩程度に見合っている」


 このカーデックは、フランスのリヨン生まれの科学者であり、
この霊界通信は友人の娘を霊媒として1850年代前半に行なったものであるが、
このようにヨーロッパ でも守護霊の研究は、多くなされているのである。

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