98.生まれ変わらないで済む方法はあるか?

   人間界はもうコリゴリで二度と生まれ変わって来たくはありません。
   こんなわがままは許されるでしょうか。


『チベットの死者の書』を読むと「子宮の口を閉ざす方法」というのが微細にわたって書かれている。
これは、つまり、どうしたら生まれ変わらないで済むかについて述べたもので、
第2巻第2章には「今や、子宮の入口を閉じる方法を行使することが非常に重要である。
そのために最大限の配慮を働かせることが必要である。
閉じることに二つの方法がある。
入ろうとする人を妨げる方法と、入り込まれる子宮の入口を閉じる方法である」となっている。  
つまり、この書は、基本的に人間界に生まれることは罰則ととらえており、
最も幸福なのはあの世でずっと暮らしていることである。
だから、人間界に生まれ変わってくるのは、刑務所に入れられたりするのも同じことだ、
という認識に立つわけである。質問と同じ考えであるといっていい。
しかしながら、『チベットの死者の書』をいくら含味熟読しても、
〃生まれ変わらないで済む 方法〃を体得するのは容易ではないだろう。
生まれ変わりのメカニズムは、複雑多岐にわたっていて、私も到底その全貌に触れることは不可能だ。


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