94.前世の記憶が失われるのはなぜか?

   生まれ変わった時、つまり赤ん坊はなぜ前世の記憶を失っているのでしょうか。


ある者が人間界に生まれてくるに当ってはたいへんな苦痛を伴うために、
意識があったのではその苦痛に耐え切れないので、気絶した状態で人間界へ送り込まれるわけである。
そして、オギャアと生まれた時には、あの世のことはすべてきれいさっばり忘れているのが普通のケースである。
さて、ではなぜ前世の記憶がないのか。
いろいろと考えられるが、前世の記憶を持っていることは、
人間界において非常に不都合なことが多いからだというふうにも思える。
つまり、何にも知らないで生まれてきて、自分の背負ってきた〃業(カルマ)〃を逐次解消していく方が、
最初からそうと知って〃業(カルマ)〃を解消しょうとするより、目的が果たしやすいからではないだろうか。
たとえば、前世で殺人を犯したということの記憶を持って、その子供が生まれてきたとしたら、
それは誰が考えても、いろいろな点で不都合ではないか。
自分は今何歳だけれど、何十回も生まれ変わってきているということを意識して親兄弟を見た時には、
何だ俺の方が先輩じゃないか、親顔をするな、ということにも成りかねない。
要するに、前世の記憶を失っている方が、その赤ん坊にとっても有利だし、
両親にとっても育てやすい、ということだ。


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