86.火葬場の職員や死刑執行人はどうなる?

   人間の〃死〃に立ち会い、しかも敬遠されている職業に、
   火葬場の業務員や死刑執行人というのがありますが、
   そのような仕事に就いていた人間は、あの世でどうなりますか。
   何か悪い影響がありますか。


火葬場の業務員というのは、全く何の悪影響もない。
死骸というのは、いうなれば〃破れ果てた着物〃であり、それを焼くわけだから、全くどうということはないのだ。
しかし、死刑執行人ということになると、これは問題がたくさんあるようだ。
あくまでも想像に過ぎないけれど、人間の最高の苦しみは、生から死へ移る時のその境目にあるといわれる。
従って、死刑執行人はその瞬間に放たれた死刑囚の〃念〃をかぶってしまうことになるわけだ。
どのような死刑囚にしても、死刑執行人に惚れるということは在り得ない。
何らかのカタチで敵方意識を感じるはずである。
しかも敵方意識を感じながら生の終わりを告げるのだから、
その凝縮された〃念〃というものは相当なものだろうと思う。
だから、死刑執行人というのは非常に気の毒な人である。
しかし、誰かがそれをやらなくてはならない。
そこで、そのような嫌な役を果たしてくれているということで、
全国民が死刑執行人に対して「ご苦労様」というような〃念〃を送らなければ、
彼のかぶっている受刑者の〃念〃を払い落とすことはできない。
死刑執行人というと、冷酷非情な鬼のような感じを一般に持つが、
絶対そのようなことがあってはならないのだ。


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