78.閻魔天王はいるか?

   霊界で一体誰が「お前は地獄へ行け」とか「極楽へ行け」とか決めるのでしょうか。
   また地獄には閻魔大王のような存在はいますか。


インドの古い神話でヤマという原名を持つのが閻魔のいわれといわれている。
閻魔は、人間として初めて死んだ人で、死後の世界を最初に発見した者であるという。
そこで、最初に死後の世界へ行った閻魔が、いわば牢名主のような立場から、
後から続いてやって来た死者たちにニラミをきかせるようになった。
この神話が、やがて中国に渡り、民衆の間で〃閻魔大王〃という形で広まり、
〃地獄の裁判官〃の一人として定着した──。

実は、地獄の裁判官はこの閻魔を含めて10人おり、死者は次々とこの裁判官の間を通過しなければならない。
閻魔は五番目の裁判官であるが、どういうわけかこの5番目だった閻魔だけが日本で知られるようになり、
他の9人の裁判官たちは、いつしか忘れられてしまったらしい。

しかしながら、死後誰がどの世界へ行くかは、すべて人間界で行なってきた生きざまによるのであり、
閻魔大王やそれに似た誰かが決定するわけでは全くない。
ただ、最初に精霊界に到着した時点で、各自の人間界の所業のすべてが細大もらさず
〃雲のスクリーン〃によって映し出され、いかなるゴマカシも通用しないというのは、
〃閻魔帳〃や〃閻魔の鏡〃と呼ばれているものの働きと似通っていることは確かである。

重ねていうが、閻魔にまつわる一般的信仰に見られるような死後審判などというものはないのであって、
悪業を積み重ねてきた者が地獄界に堕ち、善業を積んだ者が霊界層や天界層などへ行くのである。


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