73.蓮の花の意味するものは?
仏教において蓮の花は、いろいろな場合に登場しますが、
何か特別な意味でもあるのでしょうか。
〃極楽〃というと蓮の池が必ず出てきたり、「一蓮託生」「妙法蓮華経」など、
確かに蓮の花は仏教でしばしば用いられている。
これは仏教の研究家である花山勝友氏によれば、
インドでポピュラーな花であったということの他に、次のような理由があるという。
「蓮華がお経の中でしばしば用いられるのは、泥の中に恨があり、
しかも泥水の中を通って茎が伸びているにもかかわらず、
水面に出た花が清浄無垢であることが、
この煩悩(クレーシャ)に満たされた穢(けが)れた世界における〃さとり〃を
象徴しているものと考えられたからで、
さまざまな蓮の中では特にプソダリーカ〔音写して分荼離迦(ふんだりか)〕と
よばれる白蓮華が、清浄なるもののシンボルとなっているわけである」(『人は死んだらどうなるか』)