５５．霊界にも性の営みはあるか？
霊界にも性の営み、セックス・ライフというものはありますか。
セックスをすれば、当然、子供も生まれますか。
霊界にも〃結婚〃というものがあるが、
これは性の営みや生殖を目的とするものでないことは既に述べた（「霊界の結婚」参照）。
しかし、性の営み自体は、霊界にもあることはある。
フレデリック・マイヤースの説明を紹介しよう。
「性欲は、肉体とともに消失するのではない。
そのかたちが変わるだけである。
性の問題は、この過渡期において解決されねばならない大問題である。
人間界で乱れた性生活をしてきた男女の例をあげると、肉体を失った途端に、
その知覚が鋭敏になるため、その欲望も強くなる。
しかも、過度に発達した彼等の欲望を満足させる相手は、
意のままに呼び寄せることができる。同種の相手が、
引力のようにお互いに引きつけられるわけである。
こうして、しばらくは〈性的楽園〉ともいうべきものが現出する。
だが、それは彼らの記憶と空想から、仮想的につくられた快楽なのである。
しかし、耽溺のあとには、おそろしい飽満と嫌悪に襲われる。
余りに簡単に欲望の満足ができるため、どんなに肉欲的な者でも、嫌になってしまうのだ。
そうなると相手が放してくれない。
いよいよもって苦悩の境地に入り込む。
こうしていやしい欲望を満喫し、飽満して倦怠を感じ、その生活に嫌悪と不満をもつようになる。
そして生活の転換を求める心が起こってくるのである」（仁宮武著『超心霊世界の神秘』）
つまり、〃食欲〃の場合と同様で、死後間もない頃には、
人間界の長年の習慣から〃性欲〃にとらわれる者もいるが、
それが「記憶と空想から、仮想的につくられた快楽」であることが判ってくると、消失してしまうのだ。
もちろん、この性の営みによって、子供が生まれたりしないことはいうまでもない。