4.死の予告はあるか?

 死期の迫った人間から親族へ〃死の予告〃というのはあるのでしょうか。


 さて、「死の予告」というのはあるだろうか。
特別な霊能力を持っていた、長南年恵さんやスウェーデンボルグなどは、
自分の死期を自覚していたことは、既に本誌で度々御紹介した通りだ。

 ここでは、一般的な方について考えてみよう。
 死期の迫った人間が〃死の予告〃をするだろうかということだ。
 それでは、まず人間が生まれる時を考えてみて欲しい。
一年近くの前ぶれがあるではないか。それと同じように、
どんな〃死〃にでも必ず予告というものがあるはずなのである。
 ただ、それに対して周りの者が気付くかどうか、ということである。
「虫の知らせ」という言葉がありますね。
これは何と文学的な表現なのだろうと、私はいつも感心させられる。
この「虫の知らせ」は、亡くなる本人以外の方が感じることであり、
死の予告とは、亡くなる本人が感じることとして考えてみよう。
 では、この死の予告とはどんなものだろう。
 いろいろな形があるが、よく見られるのは、遠く離れた場所にいる縁者なのに、
今逢ってきた、と話すケース。
それに、病室など明らかに室内に寝ているのに、
天井を通して星が見える、などと口走ったりするケースも多い。
いずれの場合も、熱にうかされたり、もうろくしたりのうわ言ではなく、
実際に、霊魂が肉体から抜け出して見てきたものを正直に語っているのである。
 私の女房殿の子分であったSは、ガンで亡くなった。
彼は、亡くなる何日か前から、お迎えが来ていると語っていた。
Sの奥さんが、その一部始終を見ていた。
薬によって意識がもうろうとして、そんな戯言をいっているのだと、ほとんどの医者は考えるだろう。
 かりに戯言だとしても安らかに旅立てたのだから、よいではないか……。
 いずれにしても、このような状態になったら、残念ではあるけれど、近親者は、お迎えの近いことを覚悟しなければならないだろう。

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