30.安楽死は是か否か?

   〃死〃を考える場合、今日的な課題のひとつとして、
   「安楽死」の問題があると思います。
   この問題に対して是か否か、どのような立場を取られますか。


私は「安楽死」については肯定派である。
なぜならば、「安楽死」の対象となる状態というのは、
遅かれ早かれ、少なくとも半年くらい先には〃死〃が確定しているわけだ。
その苦痛を柔らげてやるという意味において、私は肯定派に立つのである。
あと半年生き長らえさせることが、霊界から見て、
その人間及び周りの者に益するということは余り考えられない。
確かに、絶対命令として何年何月何日という寿命をそのまま終える、
命令に全く従順に従うということも大事だ。
しかし、本来、寿命というのは、あくまでも本人及び周りの者に益するように与えられているものなのだから、
こういうようなもう半年後にはダメだという状態、傘を完全にすぼめた状態では、
本人の苦痛を柔らげてやる方が、周りの者の手数を省いてやるという意味においては消極的に貢献していると思う。
だから、人道的意味でいわれる、生ある者を他動的に殺すのはいけない、
というような四角四面のことではなく、肯定すべきものだと思う。
それが霊界から見て、果たしていいかどうかということになると、
それは大した問題にはならないのではないかと思う。
否定派の人にしても、「安楽死」ということに事寄せて殺人というのが行なわれるのを恐れてのことだろう。
付言すれば、「安楽死」の対象が、いわゆる〃植物人間〃ということになれば、なおさらである。
というのも、〃植物人間〃は、もはや霊魂のない、船頭のいない漂っている船だからである。

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