20.葬式と塩との関係は?

   葬式や火葬場から帰ってくると、玄関先で体に塩をふって浄めますが、
   どういう意味があるのでしょう。
   また、塩には本当に浄める力があるのでしょうか。


 葬式や火葬場から帰ってきた時に、塩を用いる習俗は、
元来、死者の帰宅を妨げるという呪術的意味から始まったと考えられている。
本来は海の塩で清めていた。

 日本では相撲の土俵入りや地鎮祭など、塩がいろいろな場面で「清め」の材料として用いられている。
そのほか、料亭などの門口に見られる盛塩は、清めの意味だけでなく調理に欠かせ

ない塩(食べ物の中で最も大事なもの)の不変性に肖り、商売繁盛を祈ったものといわれる。
 このような習俗は世界の各所で見られ、
日本の場合は〃塩〃だが、灰をまいたり、亜麻の実や豆、果実が用いられるところもある。

 起源的には死者の戻ってくるのを妨げるための呪術的行為であったのが、
文明が進むにつれて死者に対する恐れが薄くなり、むしろ追慕の念が強くなった。

 そこで、死者そのものを遠ざけることより、
その他の悪霊を遠ざけるためにと説明づけられるようにもなったようだ。

質問一覧に戻る