121.イタコは霊能者か?

    イタコのように、目の見えない人に霊能者や霊感の強い人が多いのはなぜですか。


下北半島の恐山で有名なイタコは、いわば霊媒を職業とする盲目の女性たちである。
霊媒という以上、ある種の霊能力が備わっているわけだが、
彼女たちのこの能力は、ほとんどが後天的に作り上げられたもので、
人為的な訓練の産物である。
その点で、他のいわゆる〃霊能者〃とは異質の存在であるし、
厳密な意味での〃霊能者〃とは言い難い。
彼女たちは、目が見えないという以外は、ごく凡庸な当り前の人間でしかないのだ。
一般に、霊絶者と呼ばれる人間は、99パーセントまでが先天性のもので、
普通の人間がいかに生涯をかけて訓練を重ねてみても、容易に開発でき、
体得できるという性質のものではない。
にもかかわらず、なぜ彼女たちは、短期間のうちにそれが可能かといえば、
〃盲目〃であったから、に他ならない。
概して、目の見えない人は、視覚が利かないかわりに、他の五感やいわゆる第六感が発達している。
言い換えれば集中力に優れているといえる。
その特質を楯にとり、うまく活用したわけである。
しかしながら、当然のことではあるが、同じ肉体的条件(盲目であること)、
同じ訓練を経ても、やはり個人差はあるし、また生来の霊能者には及ぶべくもない。
優れた霊媒もごく稀にはいるだろうが、大多数はその名に値しない〃観光業者〃というのが実情だろう。
だから、目の見えない人に霊能者や霊感の強い人が多いとも、一概には言い切れないのである。
ただ、ひとつだけ確かなことは、盲目者、健常者にかかわらず、イタコのようにそれを〃職業〃とする者でなく、
エドガー・ケイシーのように清貧に甘んじながら、
与えられた〃使命〃と考えてその能力を発揮する人間の中にこそ、
優れた霊能者は多いという事実である。
このことをこそ、考えてみるべきだろう。

質問一覧に戻る